JUVENILE(ジュブナイル)

LONG DISTANCE

2007-11-14 発売 / LACD-0123 / ¥2,000(税抜)+税 /

JUVENILE『LONG DISTANCE』は、とてもこれが初めての作品だなんて思えない。ラテン、ヒップホップ、フュージョン意匠なハウス、レゲエ、プリミティヴなテクノ、ヘヴィ・ビーツなジャズ、慕情掻き立てるブラジリアン――この作品でJUVENILEは、様々なリズムをつまびらかに披露しているわけだが、不思議と一本の筋が通っている。多様なようでいて、この作品はその筋によって、器用貧乏、あるいは離れ離れになった虚しさを感じさせない。繋ぎとめるものは「シーン(情景)」だ。どこかで見たはずなのに、いまはもう思い出せないシーン。JUVENILは歓迎すべき初々しさで、情感を掻き立てるシーンの数々を音楽に込めてくれる。懐かしさがある。しかし、言葉になる前の情感の瑞々しさをはらんだ作品は、「懐古的」の一括りにはできない拮抗性を持っているのではないか。

佇まいあるラテンを冒頭で響かせる「SOLEAMIENTO」、盤のクライマックスをサウダージ感豊かに結ぶ「OLE-YA」、表題曲を名乗るにふさわしい「LONG DISTANCE」では、淡いシンセ・ワークが地平線の向こう側に消えていく様が美しい。足かけ3年――部屋でたった独り育んできたイメージをたおやかに開花させ、仲間のプレイヤーと共にその実を結ばせた『LONG DISTANCE』は、新しいストーリー・テラー加藤洋一の第一歩になった。(岡本俊浩)

  • 1. SOLEAMIENTO
  • 2. IMPULSE
  • 3. LONG DISTANCE
  • 4. YOU
  • 5. NIGNT BLUE
  • 6. PLUG IN
  • 7. OLE-YA